2014-01-01から1ヶ月間の記事一覧

モンハン小説 『碧空の証』 #5

ユクモ村――。「おかえりなさい。ご無事でしたのね……。本当に、良かったですわ……」 村に辿りつくなり、村長が迎えてくれた。「心配かけて、ごめんなさい……。あと、依頼もこなせなかった……」ソラはしょげた顔をしている。「大丈夫ですのよ。あなたが無事なら。…

モンハン小説 『碧空の証』 #4

【渓流】エリア4――。 「はぁ……なんであたしがこんな荷物を持たなきゃなんないのよ……」ナナは不満げな顔で、ソラのオトモアイルー――タイガの尻尾を掴み、引き摺っている。「おい、尻尾千切れるぞ」レオンはソラを両腕で抱え込んだまま歩いている。「そんなこ…

モンハン小説 『碧空の証』 #3

渓流――。 森や渓谷、山々が連なった起伏に富んだ山地のフィールドである。 霞がかかった岩山、石柱並ぶ鍾乳洞、秋深まる時期なら鮮やかな紅色に染まった木の葉が流れる渓谷など、自然が織り成す美しい情景に、訪れた者は皆、嘆声を漏らすであろう。 ベースキ…

モンハン小説 『碧空の証』 #2

「待て――――っ!! このクソ猫――――っ!!!!」 渓流のとあるエリア――。 そこに、【メラルー】(アイルーの亜種。物を盗むのを得意とする獣人種のモンスター)を必死で追いかける一人のハンターがいた。 メラルーは、そのハンターから奪った地図を口に咥えながら素…

モンハン小説 『碧空の証』 #1

木々が青々と生い茂る山々。残暑の厳しい太陽の日差しが燦々と降り注ぎ、その山々は一層と緑が映えている。 そんな山の斜面にある一本の山道を、ガタガタと言わせながら一台の荷車が駆け上っていた。 荷車を牽いているのは、【ガーグァ】(別称:丸鳥)とい…

モンハン小説 『碧空の証』 Prologue

人間が手を付けられないほどの大自然が広がる世界――。 この世界には、圧倒的な「力」を持つ“モンスター”が到る所に生息している。 その“モンスター”達を“狩る”ことで、人類の繁栄を目指し、自然との調和を図る者が存在する。 彼らのことを、人はこう呼ぶ。 …